目次
この記事の要点
- 店内で調理・提供する飲食店には、飲食店営業許可と食品衛生責任者がすべて共通で必須
- 飲食店営業許可は保健所へ申請し、施設検査への合格と食品衛生責任者の設置が条件
- 食品衛生責任者は各施設に1名。約6時間の講習で取得でき、調理師・栄養士などは免除
- 収容人数30人以上の店は防火管理者を選任し消防署へ届出(30人未満は原則不要)
- 深夜0時以降に主に酒類を提供する店は、営業開始の10日前までに警察署へ届出
飲食店の開業には、いくつかの許可と届出が必要です。すべての店に共通するものもあれば、お酒の提供時間や店の収容人数、取り扱う商品によって追加で必要になるものもあります。この記事では、何を・どこへ・どんな条件で出すのかを一覧で整理します。
許可・届出の全体像
代表的な許可・届出は次のとおりです。提出先や必要書類は自治体で異なるため、まずは管轄の保健所へ事前相談するのが確実です。
| 許認可・届出名 | 提出先 | 必要になる条件 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 | 店内で調理・提供するすべての飲食店 | 施設検査への合格と食品衛生責任者の設置が条件 |
| 食品衛生責任者の設置 | (資格は講習を実施する団体) | すべての飲食店(各施設に1名) | 講習受講で取得。有資格者は免除 |
| 防火管理者の選任届 | 消防署 | 収容人数30人以上の店 | 30人未満は原則不要 |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届出 | 警察署 | 深夜0時以降に主に酒類を提供する店 | 営業開始の10日前までに届出 |
| 菓子製造業許可 | 保健所 | 菓子を製造して販売する場合 | テイクアウト用の焼き菓子などが該当 |
| 酒類販売業免許 | 税務署 | 未開栓の酒類を小売する場合 | 店内での提供のみなら不要 |
| 個人事業の開業届 | 税務署 | 個人で開業する場合 | 法人で開業する場合は法人登記 |
すべての飲食店に必要なもの
店内で調理して提供する飲食店には、飲食店営業許可と食品衛生責任者が共通で必要です。この2つは業態を問わず必須なので、最優先で準備します。
飲食店営業許可
飲食店営業許可は保健所へ申請します。許可を受けるには、保健所による施設検査を受け、施設基準(厨房の設備や手洗い場、シンクの数など)に適合している必要があります。検査は内装の完成後に行われるため、工事のスケジュールに合わせて申請のタイミングを調整します。検査に合格すると許可が下り、はじめて営業を開始できます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、各施設に1名の設置が必須です。飲食店営業許可の申請にも設置が条件となります。資格は通常、1日(約6時間)の講習を受講することで取得できます。調理師・栄養士などの有資格者は、講習が免除されます。開業に間に合うよう、講習は早めに予約しておくと安心です。
業態によって必要になるもの
防火管理者(収容人数30人以上)
店の収容人数が30人以上になる飲食店では、防火管理者を選任し、消防署へ届け出る必要があります。30人未満の店は原則として不要です。収容人数は、お客さまの席数だけでなく従業員数も含めて数える点に注意してください。
深夜に酒類を提供する場合
深夜0時以降に主に酒類を提供する店(バーや居酒屋など)は、深夜酒類提供飲食店営業開始届出を警察署へ提出します。届出は営業開始の10日前までに行う必要があります。なお、食事が主体の店は対象外で、酒類を出していても主食を中心に提供する場合はこの届出は不要です。
テイクアウトや酒類の小売をする場合
- 菓子を製造して販売するなら、保健所の菓子製造業許可が必要です
- 未開栓の酒類を持ち帰り用に小売するなら、税務署の酒類販売業免許が必要です(店内提供のみなら不要)
税務・開業の手続き
許認可とは別に、開業そのものの届出も必要です。個人で開業する場合は税務署へ個人事業の開業届を提出します。法人として開業する場合は法人登記を行います。スタッフを雇用する場合は、社会保険・労働保険の手続きもあわせて確認してください。
迷ったらまず保健所へ相談を
必要な許可・届出や提出書類は、自治体によって細部が異なります。物件が決まったら、内装工事を始める前に、管轄の保健所へ事前相談しておくのが確実です。施設基準を満たさない設計のまま工事を進めると、検査に通らずやり直しになることもあるため、早めの確認が手戻りを防ぎます。
開業準備の全体像は飲食店開業 準備チェックリストで、時期ごとの動き方は飲食店開業のスケジュールで確認できます。
よくある質問
- 食品衛生責任者はどうやって取得しますか?
- 通常は1日(約6時間)の講習を受講することで取得できます。調理師や栄養士などの有資格者は講習が免除されます。各施設に1名の設置が必須で、飲食店営業許可の申請にも必要なため、開業に間に合うよう早めに講習を予約しておくと安心です。
- 防火管理者はどんな店で必要になりますか?
- 店の収容人数が30人以上になる飲食店で、防火管理者の選任と消防署への届出が必要です。30人未満の店は原則として不要です。収容人数はお客さまの席数だけでなく従業員数も含めて数えます。
- 深夜にお酒を出す場合は何か届出が必要ですか?
- 深夜0時以降に主に酒類を提供する店は、深夜酒類提供飲食店営業開始届出を、営業開始の10日前までに警察署へ提出します。食事を主体に提供する店は対象外です。